霊の手は触るだけではなく、体内部にまで入ってこようとしていた。透過するのだ。
とにかく延々とおれはお化けに弄ばれた。
逃げようと思えば逃げられた。あえて逃げなかった。それではつまらない。
あまりに多すぎて、後ろの霊たちには出番がなく、完全にギャラリーになっていた。
ただ、うしろまで目が回らず、どんな霊がいたのかわからない。
それでも予行演習なので彼らの怨念だか不満だかを吸収するように心がけた。
そして、霊たちを救わねばならないので、身体に入ってきてもらおうとした。
実際に半分くらい霊の手が入ってきた。左側からの霊からは心臓にまで達していたかもしれない。
これはふつうの場合危険だと思うが。
これがけっこう苦痛だ。なんともいえない、えぐられるような苦痛がある。
ふつうならこの時点で失神するかもしれない。
しかしおれは必死で耐えた。
そして、霊を体のなかに招きいれようとした。
その時点では自分の体をカーゴにして霊を運ぼうとしたのだ。
だうぶはいったような気がした。手だけだが。
十分くらいいやもっとかもしれないがそんな状態が続いた。
すると霊の心に変化がおき始めた。私に心を許してくれたような気がした。
そして女の幽霊たちは私に身体を許してくれた。
to be continue
大体こんな感じできりがないので次回にまわします。